【感想】『ワールドエンドエコノミカ』をやれば、経済セミナーとか行かなくてよくなるよ

あけましておめでとうございます。

年末年始は『ワールドエンドエコノミカ(WEE)』というゲームをやってました。

 

たぶん30時間以上かかっているので、3日は費やしたかと(苦笑)

ただ、それだけの価値はあったなと思っています。

 

 

■ワールドエンドエコノミカってなに?


 

『WEE』というのは、『狼と香辛料』を書いた支倉凍砂氏が作った同人ゲーム。

『狼と香辛料』も商取引を話の軸にした資本経済ストーリーなのだが、『WEE』はより現在に近く、「株式投資」を話の軸にして、「経済」「不動産」「メディア」「企業」「政府」そして「人との繋がり」へと話が広がっていく。

 

経済用語や投資用語というのを知らないとちょっと取っ付き難い印象を受けるが、非常にスンナリと話に入っていける。

例えば昔にあった「ギリシャが経済破綻するかも~」からの「EUやばくなるかも~」からの「日本はどうなるの~?」というマクロの繋がりについて、どうもイメージしにくいという経験があった人などは、個人的にはやっといた方がいい作品だと思う。

3000円くらいだし。

 

 

 

■『WEE』の簡単なあらすじ


 

人類が月面都市に暮らす時代。地球の長い歴史のしがらみから独立したフロンティアとして、自由な経済活動の保障された経済特区・金融特区のような都市を形成していた。

まだまだ地球からの移民が多い中で、月で生まれ月で育った少年ハル。

 

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彼はデイトレードを生業にし、一晩で何百億と稼ぐ投資家達が一堂に会するシュレーディンガストリートでの活躍を目指していた。

そんなある日、神も仏もなく金が全ての月面としてで神の教えを説く理沙と、ある事情により心を閉ざした数学の天才少女ハガナと出会い、そこからハルの新しい生活が始まっていく。

 

 

 

■『WEE』のEP1の簡単なお話


 

物語中盤で5万ムール(おそらく日本円で500万円くらい)のお金がないと理沙たちは生活を失うという危機に陥ります。

そこでハルはシュレーディンガストリート主催の投資コンテストに入賞し、その賞金で彼女らを助けようとします。

また天才であるハガナの協力を得て、数学(数式)から確実性の高い銘柄を見つけるプログラムを作り出し、コンテストの上位に駆け上がっていきます。

 

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そこでハルは気づくのです。

「機械(数式)が自分の感覚や思考を全て反映させ、計算から合理的に答えを導きだせたとしたら、自分は必要なくなるのではないか?」と。

稼ぐ額が大きくなっていくに連れてその恐怖も大きくなってくるハルに、シュレーディンガストリートでヘッジファンドを経営するバートンから「コンテスト上位者の中でもより興味のある存在」とメールが送られ、意気揚々と彼に会いに行くのでした。

 

その彼との出会い、そして科学・数学・数式への恐れ。

そして、「考える頭を持って取引したかね?」というメール。

それが心を通わせたハガナだけでなく、ハルや理沙たちを最悪の結末へと導くのでした。

 

 

 

■『WEE』のEP2の簡単なお話


 

EP1から4年後の世界。4年前の最悪の結末の精神的ショックにより、右手と左足が麻痺してしまいます。またハガナは姿を消してしまっていません。

投資の世界からも距離を置き、悶々とした生活を送っていたハル。

そんな彼に何百年の歴史を持ちながら先日買収されてしまった投資銀行の代表だった少女・エレノアが訪れ、もう一度投資の世界へ戻るよう依頼します。

 

一方、地球と同じ過ちを繰り返すような発展を突き進む月面都市は、貧富の差の拡大とバブル経済が日に日に増しているのでした。

そこには「巨大企業の不正」「詐欺会社の上場」「メディアと企業の癒着」「見るに耐えない買収劇」などが渦巻き、そのターゲットになったのがエレノアの投資銀行でした。

エレノアは自分の持つ「正義」のため巨大企業の不正を暴こうと孤軍奮闘しており、そのためハルの力を借りたい。

 

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二転三転しながらも巨大企業の不正を暴くというところまで来て、4年前の最悪の結末の記憶を呼び覚ますある男から電話が入ります。

「考える頭を持って取引したかね?」と。

 

ハルたちが行おうとしている巨大企業の不正を暴くということは、何千人何万人という数の人たちを4年前の自分達と同じ状況へと突き落とすことになる。

それに気づいたハルは「正義」というものを試され、「正義を貫くこと」の過酷さを問われるのでした。

 

 

 

■『WEE』のEP3の簡単なお話


 

ハル個人の株式投資やハルの周りの人間関係から始まったこの物語は、ついに月面都市というある種の国家にまでその影響を広げ、そして最後は人との繋がりに帰結していきます。

なので、「マクロ⇔ミクロ」「抽象⇔具体」「個人⇔国家」「経済⇔経済」などがわかるかなと。

 

さて本編について。

政府の介入がなく、自由に経済活動を行える月面都市。4年前の出来事で「月面の英雄」と呼ばれるハルだったが、投資市場に対してある疑問が浮かんでいた。

それは「度を越えた熱狂ぶり」であり、「リスクなきリターンは存在するのか?」である。

 

多少のネタバレ覚悟でいうなら、サププライムローンだったりリーマンショックだったり金融工学が今回の話の前半部分になります。

なので、多少の知識があれば「あー、あの話か」となるのですが、その説明が本当にわかりやすい。と同時に、わかりやすいからこそ「その狂気がよくわかる」のです。

 

話を元に戻すと、結果的にハルの予想通りこの月面都市のバブルは崩壊してしまうのですが、ハルが予想していなかったのはそのダメージが月面都市の機能すらも崩壊させるものだったということ。

たった1つの投資会社の倒産が、シュレーディンガストリート上位のヘッジファンドの倒産に繋がり、そこから月面都市のインフラを担っている企業の倒産に繋がり、しいては月面都市そのものの崩壊に繋がるという危機に見舞われます。

 

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強欲と利己主義が渦巻く月面都市、果たしてその運命は?

そういえば、行方がわからなくなっていたハガナも登場しますよ。

 

 

 

■『WEE』の感想


 

僕は元々、経済の話とか大好きなんで「おもしれぇぇぇ!」と思ってプレイしていました。

まぁ、どんな3部作でもEP2って繋ぎの作品ということで中途半端になったりして、何かと評判悪いんですけど個人的にはEP2が一番面白かったですね。

二転三転四転五転とするので、ドキドキとロマンティックが止まらない(笑)

 

逆にEP3はリーマンショックの仕組みとかがよりわかりやすく、そしてゲームなのに「楽観的な発想の怖さ」を感じました。

おそらく当時のウォール街にいた人も同じことを考えていたと思います。なにせ「100年1000年に1度しかミスが起こらない、それが金融工学」なんていう風に言っていたんでしょ?

それがあの結果ですから。

その説明が本当にうまい。

 

WORLD END ECONOMiCA Episode.1-3[PCソフト]

 

この作品は「経済」や「投資」や「ビジネス」と「人間の心理」がどう密接に繋がっているかをうまく描写しています。

変なセミナー受けるくらいならこれやればいいのにって思いますわ(笑)

 

セミナーは2~3時間で概要がわかるから便利だけど、リアリティを持って、疑似体験できるのはゲームの方だと考えています。

結局のところ、セミナーは頭で理解するものでしかなく、その点ゲームは心で理解するので、忘れない知識となってその後の人生にも生きてくると言えますね。

 

 

■追伸1


 

小説も出ているけど、やはりゲームをやるのが一番ちゃんと作者が伝えたいことが伝わると思う。

まぁ、小説も1冊で800ページくらいあるから、読むの大変だけど(笑)

 

 

■追伸2


 

お金や経済というテーマでこんな記事も書いているので、こちらもぜひ参考にしてください。

 

→ 2億円が1年で消えた麒麟・田村が得た「お金の哲学」とは?

 

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